2019年9月1日日曜日

平成25年4月号 大判小判がざっくざく(江戸時代編)

平成25年4月号 大判小判がざっくざく(江戸時代編)

近頃、カブダカという耳慣れない鷹がカンワ、カンワと啼きながら空を飛び回って私たち庶民の財布を狙っているらしい。
お店で食べるミックス焼きは、具が少なくなって粉っぽいばかり。それでも値段だけは毎年上がるようだ。
これじゃ財布のひもはちっとも緩くはならない。
景気のいい話がないならば、せめてうたかたの夢でも見て、リッチな気分にひたろうか。

ということで、今月はガチャガチャの「日本の大判・小判・金貨」シリーズから江戸時代編をお届けします。


前列中央は「慶長大判」。本物は今では何千万円もするそうだが、これはわずか100円。
大きさは実物を30%ほど縮小したものだが、真鍮メッキ製なので重ね合わせると「チャリン」と音がして気持ちいい。
左は万延大判、右は元禄大判。
一番左は現役の500円玉。本物の大判はこの3倍強だったので、よっぽど大きかったのがよくわかる。


こちらは小判を紙でつつんだもので、金座や両替商の内容証明付きのもの。
時代劇で悪徳商人が「山吹色のお菓子でございます」と、いかにも「悪だくみをしています」といった顔で、桐の箱いっぱいにつまった小判の包みを悪代官に渡すあれだ。


こちらは元禄小判の3枚セット。

必殺シリーズで殺し屋たちが依頼人からの小判をめいめい手にとり「殺し」に向かうシーンを思い出す。
ユニークな殺しのテクニックや挿入される映像が面白かった必殺シリーズの中でも特に好きなのは、必殺仕置人(1973年放送)。
ご存知中村主水(藤田まこと)初登場の作品で、他にものらりくらりの念仏の哲(山崎努)、クールな棺桶の錠(沖雅也)と個性的なメンバー。
特に念仏の哲が仕置きする「骨はずし」の場面では、いきなりレントゲン写真が出てきてナンセンスギャグっぽくておもしろかった。

さらにナンセンスさで笑えたのが新必殺仕置人(1977年放送)。
仕置人の闇組織「寅の会」の総元締め「寅」役で出演していた阪神タイガースのかつての主砲・藤村富美男が、秘密を漏らした仕置人を仕置きするところで、
寅が細長い棒を振り上げたとき、藤村富美男が現役時代にホームランを打ったときの映像が出てきて、棒を振り回すと仕置きされた仕置人の首がはるか遠くまで飛んでいく。
他の時代劇では考えられない演出だった。

それでも、いつもハッピーエンドで終わる勧善懲悪の時代劇はどうも嘘っぽかったが、恨みは晴らせても心の中に暗いものが残る必殺シリーズの方がリアルに感じらたから不思議だ。
ところで元禄大判と元禄小判。
時の将軍、徳川綱吉の放漫財政で莫大な赤字を抱えた幕府が、金の含有量を減らして貨幣の流通量を増やし、幕府の歳入を増加させるために鋳造したもの。
おかげで景気は良くなり、幕府の財政も一時的にうるおったが、インフレで物価は上がり、庶民は苦しめられた。

あれ?どこかで起こっていることと同じではないか、こう考えると一気に現実に引き戻されてしまった。
せっかく大判小判をながめてリッチな気分にひたろうと思ったが、やっぱりうたかたの夢は長くは続かないようだ。

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