今月はNHK大河ドラマ「平清盛」にちなんで京都・神護寺所蔵の国宝「源頼朝像」「平重盛像」。
源頼朝は平氏のライバルであるとともに、「平清盛」では語り部として登場している。一方の平重盛は清盛の長男。
写真は、昨年2月に東京駅近くの東海東京証券で開催された「京都・美の継承~文化財デジタルアーカイブ展」で配布されていたパンフレットを切り抜いて作ったもの。
それを黒画用紙に貼り付け、背景は千代紙風の柄の折り紙、下は畳のミニチュア。コレクションボックスを含め、全部ダイソーで100円で買った。
オリジナルは神護寺の「宝物虫払い行事」(5月1日~5月5日)の時に見ることができる。私もこの時をねらって行ったことがあるが、この掛軸は書院の部屋の床の間に掛けられている。国宝を畳の部屋でゆったりと見るなんて、こんな贅沢なことはない。
特に「源頼朝像」は日本史の教科書ではおなじみだが、真っ黒にしか見えなかった着物が、近くで見ると模様や織り目が丁寧に描かれているのがよくわかる。
作品そのものも素晴らしいが、落ち着いた雰囲気も気に入ったので、何年か前にもう一回神護寺に行った。その時は、ちょうど檀家さんと思しき女性がお二人来ていて、住職さんが展示作品一つひとつを丁寧に説明されていたので、後ろについて説明を聴かせていただいた。
その時のゆったり感を再現したくて、ミニチュアの畳を敷いてみた。
「京都・美の継承~文化財デジタルアーカイブ展」は、特定非営利活動法人 京都文化協会とキャノンが、後世に伝えるため貴重な文化財の複製を作成する「綴(つづり)プロジェクト」のデジタル複製を展示したもので、他には俵屋宗達の「風神・雷神図屏風」(オリジナルは建仁寺所蔵で国宝)、狩野山楽の「龍虎図屏風」(オリジナルは妙心寺所蔵で重要文化財)はじめ全部で7点展示されていた。
デジタル複製というと、やたらテカテカしているといった印象があったが、ここに展示されていた作品は決してそんなことはなく、ごく自然な雰囲気が表現されていた。証券会社の宣伝も兼ねてなのか、入場料は無料だったが、少しはお金をとってもいいのではと思うくらいの価値があった。
次は2年前の1月に建仁寺に行ったときにいただいたパンフレットを切り抜いて作った俵屋宗達の「風神・雷神図屏風」。建仁寺ではいつもはデジタル複製のものが展示されている。
デジタルなら海外の作品も日本に居ながらにして楽しむことができる。
去年の11月には、九段のイタリア文化会館で開催されていた「ウフィツィ・ヴァーチャル・ミュージアム展」で、ボッティチェッリの「春」「ヴィーナスの誕生」、レオナルド・ダ・ヴィンチの「受胎告知」など、ウフィツィ美術館の名品の実物大レプリカ10点を見てきた。下の写真はカラーの絵入りの作品一覧。これは最後にアンケートに答えていただいたもの。この展覧会は無料だったが、アンケートには有料ならいくら払うかとの質問があり、この作品数なら300円と回答した。有料でも見る価値はあると思う。