2013/12/08

平成25年12月号 ウルトラ警備隊メカ大集合

平成25年12月号 ウルトラ警備隊メカ大集合

先月に引き続きウルトラシリーズ。
今回はウルトラセブンに登場したウルトラ警備隊のメカ大集合。


上の写真の中央は「ウルトラホーク1号」。
富士山を背景にしてウルトラ警備隊の秘密基地から飛び立つシーンが印象的だった。
「ウルトラホーク1号」は3つのパーツに分かれて飛行することができる。
鉛筆のような胴体部分のα(アルファー)号。

主翼(?)部分のβ(ベータ)号、

尾翼部分のγ(ガンマー)号。

現実にできるかどうか別にして、一つの機体が飛行中に三つに分かれたり合体したりするという発想がおもしろかった。上の3枚の写真は、部屋に夕陽が差し込む時に撮影した。

次は宇宙ロケット「ウルトラホーク2号」。

続いて汎用偵察機「ウルトラホーク3号」。
「ウルトラホーク3号」も部屋に夕日が差し込むときに撮影した。
夕陽に映える「ウルトラホーク」といったイメージ。
「ウルトラホーク1号」と協同して敵の円盤と繰り広げる数々の空中戦は見ものだった。

こちらは「ポインター」(左)と「マグマライザー」(右)。

事件があったときまず駆けつけるのがおなじみの「ポインター」。
「マグマライザー」は、第17話「地底GO!GO!GO!」や第20話「地震源Xを倒せ」に登場した。 固い岩石を破壊しながら地中深くまで進むシーンは迫力があった。
現場まで運搬するのは「ウルトラホーク3号」の役割。サンダーバード2号みたいにコンテナに積んで運んでくる。
 

(追 記)
 円谷プロダクション創立50周年を記念して企画展「ウルトラヒーローと特撮番組の50年」が12日から横浜市中区日本大通の放送ライブラリーで開催される。
  来年2月16日まで。これは見逃す訳にはいかない!
  公式サイトはこちら。⇒終了しています。


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2013/11/02

平成25年11月号 ウルトラパノラマファイト

平成25年11月号 ウルトラパノラマファイト

 今年(平成25年)の7月、『ウルトラマンが泣いている~円谷プロの失敗』(講談社現代新書)という本が出版された。
 筆者は、特撮の元祖・円谷英二氏の孫の円谷英明さん。
 特撮華やかなりし頃を懐かしみ、円谷プロのおおらかな社風が災いして、ファンを増やそうとした努力もむなしく経営が傾き、円谷プロそのものが円谷一族の手を離れる、といった内容のようで、書店でも手に取ってみたが、迷った挙句、結局買わなかった。
 ウルトラマンは泣いてはいけない、ウルトラマンは、かつて子どもだった私たちを含め子どもたちにとって夢のスーパーヒーローのままでなくてはならない、こう思ったからだ。
 英明さん、すみません。そのかわり今月は久しぶりにウルトラシリーズに登場願います。

 「ウルトラパノラマファイト」は、箱の説明によると「ウルトラ怪獣たちが己のプライドを賭けて最強の座を競う空想格闘技ワールド」。
 このうたい文句のとおりウルトラQに登場したガラモンとウルトラセブンに登場したキングジョーが闘う場面とか、ありえない想定の対決になっている。
 6、7年前にバンダイから販売されて、続編も出たようだが、私が購入したのは第1弾。


 まずは「ウルトラマンVS冷凍怪獣ペギラ 激闘!東京大決戦」(右)と、「古代怪獣ゴメスVSエリ巻き恐竜ジラース 相似形正統怪獣対決」(左)。



 ウルトラQに2回登場するペギラは、2回目には東京に来襲して大暴れした。
 ビルを派手に破壊し、ジェット戦闘機の攻撃を受けるシーンは大迫力。
 東京タワーは破壊されていないが、東京タワーやその一帯が雪に覆われるジオラマシーンもゾクゾクしてしまう。
 ウルトラQにはウルトラマンのようなスーパーヒーローは出てこない。
 ペギラを倒したのは落ちぶれた零戦の元エースパイロット。ペギラの苦手とする薬品「ペギミンH」を積んだセスナごとペギラの口に突入するという壮絶な最期だった。



ウルトラQ第1話に登場したゴメスと、ウルトラマンに登場したジラースは、いずれもゴジラのぬいぐるみを改造したもの。だから、「相似形」。
 それにしても、ゴジラにエリ巻きをつけただけのジラースは、子ども心にも、ちょっと安易だな、と感じたことを思い出す。 
 ゴメスはかなり改造していたので、DVDの解説を見るまではゴジラに手を入れたものだと分からなかった。
 倒れてこっちを向いているのがゴメス。


こちらは「宇宙忍者バルタン星人VS磁力怪獣アントラー 壮絶昆虫型怪獣決戦!!」(右)と、「隕石怪獣ガラモンVS宇宙ロボットキングジョー 宇宙ロボット決戦!!」(左)。


バルタン星人とアントラーはどちらもウルトラマンに登場するが、対決は実現していない。
 言うまでもなく、バルタン星人はセミ、アントラーはクワガタがモデル。だから「昆虫型怪獣」。


ガラモンは、こう見えても隕石からの電波で操縦されるロボット。風貌に似合わずコミカルな動きをする。
 こうやってガラモンだけをダムの正面から撮ると、ガラモンがダムを破壊するシーンの再現になる。
 ガラモンも2回目には東京に出現して、派手に市街地を破壊してくれる。この時は東京タワーも上半分がもぎ取られてしまった。
 このセットは2つ予備があるので、いずれ東京タワーとガラモンや、キングジョーの神戸港のシーンも再現してこのコーナーで披露したい。


 本当はもう一つ「どくろ怪獣レッドキングVS古代怪獣ゴモラ 怪力古代怪獣決戦!!」があるが、ゴモラは去年5月のウルトラシリーズ(その1)で使ってしまった。
 レッドキングは目下のところ所在不明で、いつどこに出現するかわからない。引き続き厳重な警戒が必要だ。


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2013/10/07

平成25年10月号 大空のサムライ

平成25年10月号 大空のサムライ

子どものころ、家にあった少年少女向けの偉人伝シリーズの中に、野口英世やジョン・F・ケネディと並んで坂井三郎の伝記もあって、夢中になって読んだ記憶がある。
 特に、敵飛行場の上空で曲芸飛行をやって、それが敵からの電報でほめられたので上官にばれてしまったことや、目を負傷した後、麻酔もなしで鉄の破片を取り除く手術をした場面は特に鮮明に覚えている。

 その伝記が坂井三郎の著書『大空のサムライ』をベースにしていることが、あとからわかった。
 文庫になった『大空のサムライ』(光人社NF文庫 2003年)をあらためて読んでみると、まるで、若者がさまざまな経験をして人間的に成長していく過程を描くドイツの教養小説(Bildungsroman)のような面白さを感じた。
 佐賀の田舎から出てきた青年が、厳しい訓練に耐え、数々の戦いを勝ち抜き、零戦のエースパイロットに登りつめ、さらには負傷して復活するというストーリーは、まるでヘルマン・ヘッセの『デミアン』だ。
 『大空のサムライ』は国の命運を賭けて戦った青年の壮大なドキュメンタリーである。
 次はどういった展開になるのか、わくわくしながら1枚1枚ページをめくり、あたかも自分がその場にいるかのような臨場感を味わいながら読み進んでいった。
 教官が同乗する初飛行の場面では、自分でも操縦桿を握り、足にフットバーをかけているつもりで自然と体が右に左に動いたり、飛行場が爆撃される場面では思わず空から降ってくる爆弾を避けるそぶりをしたりもした。

 ところで 敵飛行場上空での曲芸飛行は、昭和17年5月27日のこと。
 当時、ラエに進出していた台南航空隊は、米豪の反攻拠点ポートモレスビーに連日のように出撃していた。
 その日は大した空戦もなかったので、以前から示し合わせたとおり、当隊きっての古強者の西沢一飛曹、太田一飛曹と編隊宙返りを敢行した。
 その間、対空砲火の反撃はなかった。坂井は、「茶目気の多い米兵たちには、この大胆きわまる冒険が、案外、気に入ったのであろう」と書いている。

坂井三郎搭乗機勢揃い。

右2機は、エフトイズの1/144ウィングキットコレクションvol.1の零戦二一型。
一番左は、零戦の後継機として開発されたが制式採用まで至らなかった「烈風」の台南航空隊の塗装バージョン。
これは、1/144ウォーバードデスクコレクション「if」のシークレットで、もちろんフィクションだが、坂井三郎が「烈風」を駆使していたらさぞかし強かっただろう、と想像してしまう。
同じスケールなので零戦との大きさの違いもよくわかる。

 出撃直前の坂井一飛曹

 飛行シーン 

「烈風」

こちらは童友社の1/100翼コレクション  

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2013/09/04

平成25年9月号 若冲が来てくれました(福島県立美術館特別展)

平成25年9月号 若冲が来てくれました(福島県立美術館特別展)

今月は、前回のサンダーバード博に続き、美術展とのコラボです。

写真は福島県立美術館のミュージアムショップで購入した伊藤若冲の「鳥獣花木図屏風」。
オリジナルは約1センチ四方の升目に色を埋めていくもので、その数なんと八万六千個!

在、福島県立美術館で開催中の「東日本大震災復興支援 特別展「若冲が来てくれました」~プライスコレクション 江戸絵画の美と生命」も今月23日(月・祝)までとなってしまいました。
この機会を逃したら、こんなに充実した江戸絵画のコレクションを次にいつ見ることができるかわかりません。

Jakuchu's Here!

日本にいるうちに見に行きましょう!

展覧会の様子はブログに掲載していますので、ご覧になってください。

http://deutschland-ostundwest.blogspot.jp/2013/08/blog-post.html


(追記)
アートファンならご存じのとおり、昨年(2019年)6月、エツコ&ジョー・プライス氏(プライス財団)のコレクションの一部、190点を出光美術館が収蔵したとの発表がありました。
そのうちの約80点が、今年(2020年)9月から12月にかけて展示される予定とのこと。
こちらも楽しみです。→出光美術館年間スケジュール


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2013/08/01

平成25年8月号 お台場へGO! サンダーバード博

平成25年8月号 お台場へGO! サンダーバード博

5(ファイブ)

4(フォー)

3(スリー)


2(トゥー)


1(ワン)


THUNDERBIRDS ARE GO!


あの懐かしいカウントダウンのオープニングで始まる「サンダーバード」。
そのサンダーバードの博覧会がお台場の日本科学未来館で開催されています。
今月は「サンダーバード博」にちなんでサンダーバード1号から5号まで勢揃いさせてみました。
キットは今年の3月号と同じエフトイズの「サンダーバード・メカニック・コレクション」です。

「サンダーバード博」には先月の20日に行ってきました。
そのときのレポートは、ブログに掲載しましたのでこちらもご参照ください。



http://deutschland-ostundwest.blogspot.jp/2013/07/blog-post_23.html

大人でも子どもでも楽しめる内容です。夏休みはお台場にGO!

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2013/07/07

平成25年7月号 ギターコレクション

平成25年7月号 ギターコレクション

音楽に関して言うと、1970年代前半で時計の針が止まっている。
ウォークマンに入っているのは、ビートルズ、ローリング・ストーンズ、クリーム、レッド・ツェッペリン、ザ・フー、フリーといったブリティッシュ・ロックや、ジミ・ヘンドリックス、ザ・ドアーズ、ジェファーソン・エアロプレイン、さらにはオールマン・ブラザーズ・バンド、レイナード・スキナードなど1960年代後半から70年代前半のロックばかり。いつも電車の中で聴いている。
実際には80年代以降も、さらには今でも活動しているバンドもあるが、CDを買うのも、聴くのもやはりこの時代の曲。
最近よく見るYouTubeでも、レッド・ツェッペリンの「移民の歌(Immigrannt Song)」を見て「やっぱりジョン・ボーナムのドラムはすごい」とか、フリーの「Mr.Big」を見て「ポール・コゾフのギターは一音一音説得力があるな」とか(もちろんアンディ・フレイザーのベースラインもグッド)、昔の演奏を見て夜遅くまで結構楽しんでいる。

そんな永遠のロック少年で、自分でも学生時代ロック・バンドでギターを弾いていたこともあるので、ギターの食玩を横浜のヨドバシで見かけたときには迷わず買ってしまった。
本物の1/12で、ギターでいうと高さは10㎝にも満たないが、これがなかなかの出来栄え。


フェンダーの白のストラトキャスターにはアームもついていて、ストラップも付属している凝りよう。


ギブソンのレスポールにはケースまで付いている(ケースはシークレット)。


最後に、後ろの方でよく見えなかったグレッチのホワイトファルコン(左)とフェンダーのテレキャスター。


(これより一回り大きくて、弦までついているエフトイズのフェンダーギターコレクションも近いうちにこのコーナーで紹介する予定です。お楽しみに)

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2013/06/10

平成25年6月号 関西紀行(通天閣)

平成25年6月号 関西紀行(通天閣)

実はこの「通天閣」は5月号で掲載する予定でした。
ところが、ゴールデンウィークの関西旅行では、途中、体調をくずしてしまい、通天閣に行くことができませんでした。
そこで、とても印象が良かった銀閣寺をアップしようと急に思い立ち、フジミの「銀閣寺」のキットを1日で組み立てて、5月号に掲載しました。
そのため、2回連続になりますが、今月も関西紀行をお届けします。


初めて通天閣に行ったのはもう30年近く前のこと。
当時は展望室に登ると、「お持ち帰り通天閣」といった通天閣のペーパークラフトがもらえた。
家で組み立て、しばらく机の上に置いていたが、長い年月とともにぼろぼろになったので、いつの間にか捨ててしまった。
10年ほど前に行ったときには「お持ち帰り通天閣」はもう見かけなかったので、今となっては惜しいという思いが心の片隅に残っていたたからだろうか、童友社「彩色済み1/800情景モデル 通天閣」を店頭で見たとき、迷わず購入した。 

下の写真の左はプラモデルとペーパークラフトのツーショット。


左はペーパークラフト。以前の「お持ち帰り通天閣」はグレー基調で、もっと実物に近い色だったが、こちらはご覧のとおりカラフル。貯金箱にもなっている。
右のプラモデルの方は色といい、広告といい実物に近い。

お店の看板はシールで対応している。


フグ料理で有名な「ずぼらや」の目印、フグのハリボテも再現する芸の細かさ。


LED電球でライトアップさせることもできる。
緑、赤、青の3色。






こうやってながめていると、今まで大阪に行ったときのことを思い出す。
学生時代の友人が就職して最初の勤務地が大阪だったので、よく訪ねに行って、道頓堀やキタのお初天神通あたりで飲んだものだ。
その後も四天王寺から寺町界隈を歩いたり、迷路のような梅田の地下街をさまよったり、水上バスで川面から大阪の中心街を見て回ったりもした。

近いうちに通天閣の展望台に登り、大阪の街をながめてみたいと思う。

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2013/05/13

平成25年5月号 関西紀行(銀閣寺)

平成25年5月号 関西紀行(銀閣寺)

ゴールデンウィークにトラの絵を見に関西に行ったことは「日本史散歩」に書いたが、今回は久しぶりに銀閣寺にも行ってきた。
きりしまつつじと池に浮かぶ「銀閣」、正式には東山慈照寺観音堂。



今回のお目当ては春の特別公開中の「東求堂」。
観音堂とともに東山殿造営当時からの姿のまま残っている(観音堂、東求堂とも国宝)。


銀閣寺に着いたのが午後3時過ぎだったが、その日の最終の案内になる15時50分に滑り込みセーフ。
案内の女性の説明を聞きながら、与謝蕪村や池大雅の襖絵、この地の東山殿を造営した足利八代将軍・義政公の木造などを拝見し、
茶室「同仁斎」へ。
そこには床の間と違い棚があり、障子から外の光が入ってきて部屋の中は明るく暖かみがある。
500年以上も前に作られた茶室であるが、今の私たちが見てもまったく違和感がないありふれた和室。
しかし、このありふれたところが、ドナルド・キーンさんが指摘しているように、この後の時代のあらゆる部屋の原型をつくり、
さらには庭や池などを含めて後世の日本人が感じる美的感覚に大きな影響を与えた足利義政のセンスの良さなのである。
この日は特別に床の間や違い棚に、硯や筆、天目茶碗や花などが飾られ、床の間の一番右手にはさりげなく巻物が置いてあった。
これこそが、中国画家の説明や座敷飾りの図解が記された、いわば足利将軍家の美術品の参考書『君台観左右帳記』。
案内の女性が「これらの装飾品は、この書物の作法に従ってレイアウトされています。今日は特に大事なお客さまのときのパターンです」
と説明してくれた。
足利将軍家と同じ作法で日本の美を楽しむことができる。何とも贅沢なこと。
(東求堂の特別拝観については銀閣寺のホームページでご確認ください→銀閣寺

特別拝観でいただいたパンフレット。

ということで、今月のコレクション・ボックスは銀閣寺。


キットはフジミの建物シリーズの1/150「銀閣寺」。
木の部分は色がくすんでいるようにするためタミヤ・アクリルカラーのレッドブラウンで塗装し、障子の部分は桟が透けて見えるようにするため薄めに、漆喰壁の部分は
量感をもたせるため厚めにホワイトを塗装した。
地面は白砂をイメージしてホワイト。池はクリアブルー。

屋根の上には黄金色に輝く鳳凰(こちらはもともとゴールド)。


それにしてもバス停の「銀閣寺道」を降りてから総門を通り、境内まで人、人、人の大混雑。
誰もが思い思いに銀閣をバックに写真を撮っている。
天気もよく、気温も上がっていたので沿道でアイスクリームをうれしそうに食べている若い子たちもたくさんいた。
果たして日本の美にふれに来ているのか、アイスクリームを食べに来ているのか、どちらが目的だかわからない。
それでも、みんなが楽しそうな表情を浮かべているのを見ると、こちらも明るくなってくるから悪い気はしない。

応仁・文明の乱で京の街が荒廃し、庶民は飢え、幕府の財政が厳しくなる中、将軍家の美術品コレクション(「東山御物」)を切り売りし、借金までして東山に別荘を建てた義政。
これを見にやってくる現代の多くの人たち。
沿道の食べ物屋やみやげもの屋は人でいっぱいだし、銀閣寺から祇園、清水寺を通って京都駅に行く100系統のバスは、臨時便を出してもすぐに満員になり、さらにバスを待つ人の長い行列ができている。
東山の地がこれだけのにぎわいを見せるとは、まさに義政サマサマである。
失政ばかりで浪費壁の義政を責めることはできるが、もし銀閣寺を建てなければ私たちは当時の文化にふれることはできなかった。
複雑な気持ちではあるが、「いいもの見せてくれてありがとう」と素直に感謝するのが一番なのだろう。

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2013/04/07

平成25年4月号 大判小判がざっくざく(江戸時代編)

平成25年4月号 大判小判がざっくざく(江戸時代編)

近頃、カブダカという耳慣れない鷹がカンワ、カンワと啼きながら空を飛び回って私たち庶民の財布を狙っているらしい。
お店で食べるミックス焼きは、具が少なくなって粉っぽいばかり。それでも値段だけは毎年上がるようだ。
これじゃ財布のひもはちっとも緩くはならない。
景気のいい話がないならば、せめてうたかたの夢でも見て、リッチな気分にひたろうか。

ということで、今月はガチャガチャの「日本の大判・小判・金貨」シリーズから江戸時代編をお届けします。


前列中央は「慶長大判」。本物は今では何千万円もするそうだが、これはわずか100円。
大きさは実物を30%ほど縮小したものだが、真鍮メッキ製なので重ね合わせると「チャリン」と音がして気持ちいい。
左は万延大判、右は元禄大判。
一番左は現役の500円玉。本物の大判はこの3倍強だったので、よっぽど大きかったのがよくわかる。


こちらは小判を紙でつつんだもので、金座や両替商の内容証明付きのもの。
時代劇で悪徳商人が「山吹色のお菓子でございます」と、いかにも「悪だくみをしています」といった顔で、桐の箱いっぱいにつまった小判の包みを悪代官に渡すあれだ。


こちらは元禄小判の3枚セット。

必殺シリーズで殺し屋たちが依頼人からの小判をめいめい手にとり「殺し」に向かうシーンを思い出す。
ユニークな殺しのテクニックや挿入される映像が面白かった必殺シリーズの中でも特に好きなのは、必殺仕置人(1973年放送)。
ご存知中村主水(藤田まこと)初登場の作品で、他にものらりくらりの念仏の哲(山崎努)、クールな棺桶の錠(沖雅也)と個性的なメンバー。
特に念仏の哲が仕置きする「骨はずし」の場面では、いきなりレントゲン写真が出てきてナンセンスギャグっぽくておもしろかった。

さらにナンセンスさで笑えたのが新必殺仕置人(1977年放送)。
仕置人の闇組織「寅の会」の総元締め「寅」役で出演していた阪神タイガースのかつての主砲・藤村富美男が、秘密を漏らした仕置人を仕置きするところで、
寅が細長い棒を振り上げたとき、藤村富美男が現役時代にホームランを打ったときの映像が出てきて、棒を振り回すと仕置きされた仕置人の首がはるか遠くまで飛んでいく。
他の時代劇では考えられない演出だった。

それでも、いつもハッピーエンドで終わる勧善懲悪の時代劇はどうも嘘っぽかったが、恨みは晴らせても心の中に暗いものが残る必殺シリーズの方がリアルに感じらたから不思議だ。
ところで元禄大判と元禄小判。
時の将軍、徳川綱吉の放漫財政で莫大な赤字を抱えた幕府が、金の含有量を減らして貨幣の流通量を増やし、幕府の歳入を増加させるために鋳造したもの。
おかげで景気は良くなり、幕府の財政も一時的にうるおったが、インフレで物価は上がり、庶民は苦しめられた。

あれ?どこかで起こっていることと同じではないか、こう考えると一気に現実に引き戻されてしまった。
せっかく大判小判をながめてリッチな気分にひたろうと思ったが、やっぱりうたかたの夢は長くは続かないようだ。

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2013/03/03

平成25年3月号 サンダーバード「第2話 ジェット”モグラ”号の活躍(Pit of Peril)」

平成25年3月号 サンダーバード「第2話 ジェット”モグラ”号の活躍(Pit of Peril)」

いよいよこのコーナーに「サンダーバード」シリーズ登場!
記念すべき第1回は、第2話「ジェット”モグラ”号の活躍(原題 Pit of Peril)」。


これは、4年前にエフトイズ・コンフェクトから出た「サンダーバード・メカニック・コレクション」の「1/700 2号ポッド(5番装備)&1号セット」。
(このシリーズは、他に「1/350 サンダーバード1号」「1/700サンダーバード2号」「1/2000 サンダーバード3号・5号」「1/144サンダーバード4号」がある) 
 アメリカ陸軍の新兵器、ジャングル開拓車「ゴング」がテスト走行中、かつて石炭の露天掘りの現場だった穴に落ち、周囲が火災につつまれる中、乗組員が閉じ込められてしまうというストーリー。
救援要請を受け、現状確認のためいつも真っ先に駆けつけるのが、トレーシー一家の長男スコットが操縦するサンダーバード1号。


次に次男バージルが操縦し、科学者ブレインズが同乗しているサンダーバード2号(5号装備搭載)が到着。ジェット”モグラ”号と2台の磁力牽引車がコンテナポッドから出てくる。
磁力牽引車で「ゴング」を引き上げようという作戦だが、その前に邪魔になっていた表面の地層を爆破するため、防護服に身を固めたバージルが穴の中に入り、爆薬をしかけた。
この回のタイトルは「ジェット”モグラ”号の活躍」となっているが、モグラ号が活躍したのは、爆薬をしかけ終えたバージルを救いに行く場面だけだった。
(モグラ号は他の回でも活躍するので、あらためてじっくり紹介します)


実際に大活躍したのはこの磁力牽引車。1号車はバージルが操縦し、2号車はリモートコントロール。
車の上に積んでいるシルバー色の2つの吸盤を銛(もり)のように飛ばし、磁力で吸盤を「ゴング」にくっつけ、あとはぐいぐい引っ張るだけ。
ところがこの「ゴング」というマシーン、原語では”Sidewinder”といってアメリカ中西部の砂漠に住み、体をS字に曲げて横滑りしながら前に進むので「ヨコバイガラガラヘビ」と呼ばれているヘビの名前
が付けられているが、実際にはどうみても巨大なタガメ。それがひっくり返っているのだから、引っ張り上げるのにも苦労した。
それでも途中で吸盤が外れたりもしたが、この磁力牽引車は重さ500トンはあるという「ゴング」を穴の中から引き上げ、乗組員たちも間一髪で救出することができた。

コレクションボックスの連載を始めた当初からこのシリーズにサンダーバードを紹介しようと思っていたら、去年、ちょうどおあつらえ向きの本が出版されていたのに気が付いた。
その名も『サンダーバード読本』。左が表紙で、右が裏表紙。
この本によると、テレビで放映された全32話の放送順がイギリスと日本で異なり、さらに権利元のカールトンが再放送時などに推奨していて、DVDの順番にもなっている「カールトン推奨順」というのもあるので、以後、このコーナーでは「カールトン推奨順」に従って表記する。ただし、今回紹介した「ジェット”モグラ”号の活躍(原題 Pit of Peril)」は、いずれの場合も第2話だった。


アオシマからサンダーバードのプラモデルが発売され、子どもの頃は値段が高くてとても手が届かなかった「サンダーバード秘密基地」や「ファイアーフラッシュ号」(もちろんエレベーターカー付き!)」を手に入れたので、冒頭紹介したエフトイズのサンダーバード・メカニックコレクションとあわせて、これからも順次サンダーバードの名シーンを再現したいと考えていますので、どうかご期待ください。

(付記)
昨年12月27日の朝日新聞に、サンダーバードのプロデューサー、ジェリー・アンダーソンさんが83歳で亡くなられたとの記事が掲載されていた。記事の横にはサンダーバード2号を手に満面の笑みを浮かべているアンダーソンさんの写真もあった。私を含め多くの子どもたちに夢を与え続けてくれたアンダーソンさん、ありがとうございました。ご冥福をお祈りします。 

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2013/02/03

平成25年2月号 ウルトラシリーズ(その2 ダダ)

平成25年2月号 ウルトラシリーズ(その2)

しばらく行方がわからなくなっていたダダのフィギュアがようやく見つかった。
これは3~4年前ガチャガチャで出ていたもので、いくつかの家電量販店で探したがみつからず、わざわざ新宿のヨドバシまで行ってゲットしたものだ。


所在不明の間、どこかで悪さをしていなかっただろうか。
何しろダダは、人間を標本として持って帰るために地球に来たという悪い宇宙人だ。
今度は逃げ出さないようにこちらが「ダダ標本」にしてやった。


ウルトラマン第28話「人間標本5・6」に登場するダダは、奥多摩にある宇宙線研究所を占領して研究員4人をミクロ化して標本にしたが、5体目と6体目の採取に手間取っていた。
そこに、報告書を催促に来た中央宇宙原子力研究所の女性技官と、その女性のあとを追ってきた科学特捜隊のムラマツ隊長が現れ、ダダに狙われる。
いかにも異様な風貌のダダであるが、研究員たちにはえらそうにふるまうものの、ムラマツ隊長にはやられっぱなしだし、ウルトラマンにはまったく歯が立たない。
それにテレビモニターで上司から「早く6体揃えろ」と強く催促されて焦るところなどはサラリーマン(?)の悲哀を感じさせるし、人間を小さくする「ミクロ化機」が故障してムラマツ隊長たちを取り逃がし、本国からもう一丁送ってもらうなど手際もあまり良くない。
強そうで弱い、怖そうでヌケている、そんなところがダダの魅力でもあるのだろうか。
ウルトラマンに出てくる怪獣や宇宙人の中でも知名度や人気ではバルタン星人やゼットンに優るとも劣らないだろう。

ミクロ化機を構えて得意気なポーズをとるダダ


あれ、パソコンに向かってこの原稿を書いているうちに、標本にしたはずのダダがいつの間にか逃げ出してしまった。


この顔を見たらご用心。「ダッダーッ」」


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平成30年1月号 江戸琳派~酒井抱一~

平成30年1月号 江戸琳派~酒井抱一~  あけましておめでとうございます。 昨年一年間ご愛読ありがとうございました。 おかげさまで「今月のコレクションボックス」のコーナーも7年目を迎えることができました。 今年も毎月楽しい企画を紹介していきますので、おつきあいのほどよろしくお願い...