2014/03/11

平成26年3月号 フィギュアで綴る日本古代史(その1 縄文時代)

平成26年3月号 フィギュアで綴る日本古代史(その1 縄文時代)

今月から3回に分けてエポック社のカプセルコレクション(ガチャポン)から歴史ミュージアム「埴輪と土偶+土器&青銅器」を紹介します。

第1回は「縄文時代」。
眼鏡をかけたような土偶、ハート形の顔をした土偶。当時の人たちは、現代人の感覚ではとても理解できないような形の土偶をどういった思いでつくったのか。
小さなフィギュアを見ながら考えさせられてしまう。


まずは今から4~5千年前、縄文中期の長野県棚畑遺跡から出土された「ヴィーナス土偶」(茅野市尖石縄文考古館蔵 国宝)。
シンプルなボディライン、少女のようなあどけなさを残した表情、まさに「縄文のヴィーナス」。


後ろから見ると、頭に渦巻きや文様があったりする。これは髪型なのか、被り物なのか。
正面から見るとおかっぱ頭のようにも見える。やっぱり少女かな。


次は縄文時代後期(前2000年~前1000年)のみみずく土偶(埼玉県滝馬室遺跡出土 東京国立博物館蔵)とハート形土偶(群馬県東吾妻町郷原出土 個人蔵 東京国立博物館寄託)。いずれも重要文化財。
縄文時代も後期になると、現代人の感覚ではとても理解できないような造形になってくる。
全身を覆う渦巻きや直線の文様といい、髪型といい、縄文の人たちは何を考え、何のためにこのような土偶を作ったのだろうか。
いずれも女性の像なので豊穣や安産を祈ったのだろうか。説得力のある答えは見つかっていない。

(左がみみずく土偶、右がハート形土偶)


            (後ろから見たところ。髪型がユニーク)


土偶の最後は縄文時代晩期(1000年~400年)の重要文化財・遮光器土偶(青森県亀ヶ岡遺跡出土 東京国立博物館蔵)。
晩期になるとさらにわからなくなってくる。
サングラス(=遮光器)をかけたような顔は眠そうな表情にも見える。
そして全身の文様や奇抜な髪型。



ただ共通しているのはどの土偶の表情も愛嬌があってかわいらしいところだ。
謎多き土偶、でも、だからこそ縄文時代の人たちが土偶に込めた思いを想像するだけでおもしろい。

 

謎が多いのは縄文式土器も同じだ。
これは縄文時代中期の国宝・火炎式土器(新潟県十日町笹山遺跡出土 十日町市博物館蔵)。
燃えさかる炎のように天に突き出した取っ手、直線や曲線の文様、煮炊きするだけならこれだけの装飾は必要ない。
何か儀式のようなものに使ったのだろうか。


(次回は「弥生時代」をご紹介します。)

2014/02/13

平成26年2月号 世界の戦艦

平成26年2月号 世界の戦艦

今月は6年前(平成20年)に発売されたエフトイズの「バトルシップコレクション」。
1/2400のスケールで第二次世界大戦時の各国海軍の主力戦艦を一堂に集めた、艦船ファンにはたまらない企画だった。
ラインナップは全部で9隻(シークレットはゲットできなかった)。

まずは、世界の海軍史上唯一46㎝砲を搭載した戦艦「大和」「武蔵」から。
後方が「大和」、手前が「武蔵」。


「大和」「武蔵」とも、電探(レーダー)を装備し、両舷の副砲を撤去して高角砲や機銃を増設した状態になっている。
また、「武蔵」は、レイテ作戦のとき航空機の援護のない栗田艦隊にあって、敵機の攻撃を一手に引き受ける「被害担当艦」となるため、出撃前に船体を明るい色に塗装したといわれているが、まさにこの「武蔵」は、5回にわたる敵機動部隊の攻撃で魚雷20本、爆弾17発、至近弾18発を受けてシブヤン海に沈没したときの悲壮な姿を再現している。
(下の写真は「大和」の後部。両艦ともちゃんと水上機を搭載している)


46㎝砲9門の「大和」「武蔵」に対して、こちらは40㎝砲9門の「アイオワ」(後方)「ミズーリ」(手前)。


1943年2月に竣工したネームシップ「アイオワ」は、当初、ノルウェーのフィヨルドに姿を隠していたドイツ戦艦「ティルピッツ」に対抗するため大西洋に配属されたが、翌年には太平洋に移り、2番艦「ニュージャージー」とともにマリアナ沖海戦やレイテ作戦などに参加している。
3番艦「ミズーリ」は1944年6月に竣工し、先に竣工した4番艦「ウィスコンシン」ともに同年12月に機動部隊に編入され、僚艦とともに硫黄島上陸作戦や沖縄攻略作戦の支援を行い、沖縄戦の際には特攻機による攻撃を受けている。
「ミズーリ」は、その艦上で日本の降伏調印式が行われたことで有名だが、「ミズーリ」や他の「アイオワ」級戦艦はその後も朝鮮戦争、ベトナム戦争と戦争のたびに現役復帰し、さらに「ミズーリ」は「ウィスコンシン」とともに1991年の湾岸戦争にまで駆り出され、僚艦が続々と退役した後、最後に残った「ミズーリ」にようやく「戦後」が訪れたのは、退役した1992年3月になってからであった。
太平洋戦争後も度重なる近代化改装を重ね、最後はトマホークミサイルを搭載した「アイオワ」級戦艦であったが、三番砲塔を撤去して、日本の航空戦艦「伊勢」「日向」のように飛行甲板を設置する改装案もあったようである。航空戦艦「アイオワ」もぜひ見てみたかった。

こちらは大西洋で対峙したドイツ戦艦「ビスマルク」(手前)と「ティルピッツ」(後方)、


そして、イギリス戦艦「キング・ジョージ5世」(手前)と「プリンス・オブ・
ウェールズ」(後方)。


「ビスマルク」と「ティルピッツ」の主砲は38㎝連装砲4基、「キング・ジョージ5世」と「プリンス・オブ・ウェールズ」は35.6cm4連装砲2基と連装砲1基。

1939年9月の開戦以来、ドイツ海軍による北大西洋の通商破壊戦に悩まされていたイギリス海軍にとって、1940年8月、41年2月にそれぞれ竣工したドイツ戦艦「ビスマルク」と「ティルピッツ」の存在は大きな脅威であった。
そのため、「ビスマルク」の最初で最後の出撃となった通商破壊戦「ライン演習作戦」(1941年5月18日~5月27日)では、イギリス海軍はその全力をあげて「ビスマルク」を追撃した。参加した艦艇は、「キング・ジョージ5世」「プリンス・オブ・ウェールズ」を含む戦艦4隻、巡洋戦艦3隻、空母2隻ほかで、イギリス本国周辺に展開していたほとんどすべての部隊を投入して、ほぼ10日間にわたる追撃戦の末ようやく撃沈することに成功した。
ノルウェーのフィヨルドに隠れ、ときどき洋上に姿を現した「ティルピッツ」の退治にはもっと手こずった。
空軍爆撃機による夜間爆撃はあまり成果がなかったが、特殊潜航艇による爆薬攻撃、空母艦載機による爆撃により大損害を与え、最後には新たに開発された大型徹甲爆弾「トールボーイ」をランカスター重爆撃機が積んで攻撃を行い、1944年11月になってようやくこの大艦を大破横転させることができた。
一方のイギリス戦艦、ネームシップの「キング・ジョージ5世」は1940年に竣工し、ビスマルク追撃戦後も船団護衛や地中海作戦に参加していたが、1944年10月、東洋艦隊に編入され、11月には新たに編成された英国太平洋艦隊の一員として沖縄作戦や日本本土砲撃に参加し、1957年に除籍されている。
「プリンス・オブ・ウェールズ」はビスマルク追撃戦で被弾損傷した修理が終わった後、巡洋戦艦レパルスとともに英国東洋艦隊に編入され、1941年12月10日、マレー沖海戦で日本海軍陸攻隊の攻撃を受け沈没した。

最後は珍しくフランス戦艦「リシュリュー」。主砲は38㎝4連装砲2基。


「リシュリュー」は、本国がドイツに占領されると、未完成のままフランス領ダカールに逃れたが、そこでヴィシー・フランス海軍の配下に入り、1940年9月23日、ダカールを占領するため攻めてきたイギリス戦艦と砲火を交えた(1940年9月23日~25日 ダカール沖海戦)。
その後はド・ゴールの自由フランスに属して、ニューヨークで修理改造を施し、1944年以降はイギリス艦隊に属して、対独、対日作戦に参加した。
ドイツ海軍の拡張に対抗して建造されたにもかかわらず、最初の対戦相手がイギリス海軍だったとは何とも皮肉なデビュー戦であった。

最後に世界の戦艦勢揃い。


他にも、日本戦艦「長門」「陸奥」、イギリス戦艦「ネルソン」「ロドネー」、さらにはイタリア戦艦「ヴィットリオ・ヴェネト」と、「バトルシップコレクション」の続編を
期待したが、第2弾はこの後も出現しなかった。
今では、「艦船模型コレクション」がVol.5まで出ているので、日本海軍艦艇が一段落したら、このシリーズの続編として外国艦の発売を期待したい。

追記
このコラムをアップした4年後、同じくエフトイズから「世界の艦船キット」が発売された。外国戦艦のラインナップは米戦艦「アリゾナ」、英巡洋戦艦「レパルス」。
その後、空母が中心の「世界の艦船キット2」が発売されたので、こちらの続編を期待したい。





2014/01/04

平成26年1月号 狩野永徳

平成26年1月号  狩野永徳


あけましておめでとうございます。
昨年1年間、ご愛読ありがとうございました。
今年も楽しい企画を考えていますので、引き続きご愛顧のほどよろしくお願いいたします。



さて、去年の1月号が長谷川等伯だったので、今年はライバルの狩野永徳(1543-90、天文12年~天正18年)。
桃山時代に活躍した永徳は、戦国大名たちの趣味に合った豪華絢爛な画風で一世を風靡した。
下の写真は、織田信長が上杉謙信に贈ったと伝えられる「洛中洛外図屏風 上杉本」(狩野永徳筆 米沢市上杉博物館所蔵)。



この絵はがきは、5年前(2009年)にサントリー美術館で開催された「天地人-直江兼続とその時代」展で購入したもの。
その2年前(2007年)に京都国立博物館で開催された「狩野永徳」展では人が多くてじっくり見ることができなかったが、
このときは夜に行ったこともあり人が少なかったので、屏風の前を行きつ戻りつ、
「手前は三十三間堂で左奥が清水の舞台だ」とか、


「これは祇園祭の山鉾巡行で、手前が船鉾だ」とか、


言いながらじっくりと眺めていたら、あっという間に1時間が過ぎてしまった。

しかし永徳は、時の権力者、織田信長、豊臣秀吉の寵愛を受け、狩野派一門をあげて安土城、大坂城、聚楽第などの障壁画に取り組んだばかりに、権力者の没落とともにその絵の大半は城とともに灰燼に帰してしまった。
当時の記録によると、安土城内は金箔の障壁画で埋め尽くされていたという。
今となっては見ることができない安土城の障壁画に思いをはせ、安土城とともに記念撮影。



安土城は、「天下の覇城」シリーズ。左がノーマルバージョンで、右が赤瓦バージョン。

永徳は、亡くなる一か月前、嫡男の光信、弟の宗秀を伴って、勧修寺晴豊を訪れ、「はせ川と申す者に内裏の対屋の襖絵を描かせることにしたのは、迷惑である」
と申し入れをして、当時、狩野派に対抗できるほどの実力をもっていた長谷川等伯の追い落としを図った。
等伯ファンの私としては、永徳も随分と性格が悪い、と思ったが、当代随一の人気絵師というだけでなく、狩野派という絵師集団の棟梁として、一門の隆盛のためには当然のことだったのであろう。



2013/12/08

平成25年12月号 ウルトラ警備隊メカ大集合

平成25年12月号 ウルトラ警備隊メカ大集合

先月に引き続きウルトラシリーズ。
今回はウルトラセブンに登場したウルトラ警備隊のメカ大集合。


上の写真の中央は「ウルトラホーク1号」。
富士山を背景にしてウルトラ警備隊の秘密基地から飛び立つシーンが印象的だった。
「ウルトラホーク1号」は3つのパーツに分かれて飛行することができる。
鉛筆のような胴体部分のα(アルファー)号。

主翼(?)部分のβ(ベータ)号、

尾翼部分のγ(ガンマー)号。

現実にできるかどうか別にして、一つの機体が飛行中に三つに分かれたり合体したりするという発想がおもしろかった。上の3枚の写真は、部屋に夕陽が差し込む時に撮影した。

次は宇宙ロケット「ウルトラホーク2号」。

続いて汎用偵察機「ウルトラホーク3号」。
「ウルトラホーク3号」も部屋に夕日が差し込むときに撮影した。
夕陽に映える「ウルトラホーク」といったイメージ。
「ウルトラホーク1号」と協同して敵の円盤と繰り広げる数々の空中戦は見ものだった。

こちらは「ポインター」(左)と「マグマライザー」(右)。

事件があったときまず駆けつけるのがおなじみの「ポインター」。
「マグマライザー」は、第17話「地底GO!GO!GO!」や第20話「地震源Xを倒せ」に登場した。 固い岩石を破壊しながら地中深くまで進むシーンは迫力があった。
現場まで運搬するのは「ウルトラホーク3号」の役割。サンダーバード2号みたいにコンテナに積んで運んでくる。
 

(追 記)
 円谷プロダクション創立50周年を記念して企画展「ウルトラヒーローと特撮番組の50年」が12日から横浜市中区日本大通の放送ライブラリーで開催される。
  来年2月16日まで。これは見逃す訳にはいかない!
  公式サイトはこちら。⇒終了しています。




2013/11/02

平成25年11月号 ウルトラパノラマファイト

平成25年11月号 ウルトラパノラマファイト

 今年(平成25年)の7月、『ウルトラマンが泣いている~円谷プロの失敗』(講談社現代新書)という本が出版された。
 筆者は、特撮の元祖・円谷英二氏の孫の円谷英明さん。
 特撮華やかなりし頃を懐かしみ、円谷プロのおおらかな社風が災いして、ファンを増やそうとした努力もむなしく経営が傾き、円谷プロそのものが円谷一族の手を離れる、といった内容のようで、書店でも手に取ってみたが、迷った挙句、結局買わなかった。
 ウルトラマンは泣いてはいけない、ウルトラマンは、かつて子どもだった私たちを含め子どもたちにとって夢のスーパーヒーローのままでなくてはならない、こう思ったからだ。
 英明さん、すみません。そのかわり今月は久しぶりにウルトラシリーズに登場願います。

 「ウルトラパノラマファイト」は、箱の説明によると「ウルトラ怪獣たちが己のプライドを賭けて最強の座を競う空想格闘技ワールド」。
 このうたい文句のとおりウルトラQに登場したガラモンとウルトラセブンに登場したキングジョーが闘う場面とか、ありえない想定の対決になっている。
 6、7年前にバンダイから販売されて、続編も出たようだが、私が購入したのは第1弾。


 まずは「ウルトラマンVS冷凍怪獣ペギラ 激闘!東京大決戦」(右)と、「古代怪獣ゴメスVSエリ巻き恐竜ジラース 相似形正統怪獣対決」(左)。



 ウルトラQに2回登場するペギラは、2回目には東京に来襲して大暴れした。
 ビルを派手に破壊し、ジェット戦闘機の攻撃を受けるシーンは大迫力。
 東京タワーは破壊されていないが、東京タワーやその一帯が雪に覆われるジオラマシーンもゾクゾクしてしまう。
 ウルトラQにはウルトラマンのようなスーパーヒーローは出てこない。
 ペギラを倒したのは落ちぶれた零戦の元エースパイロット。ペギラの苦手とする薬品「ペギミンH」を積んだセスナごとペギラの口に突入するという壮絶な最期だった。



ウルトラQ第1話に登場したゴメスと、ウルトラマンに登場したジラースは、いずれもゴジラのぬいぐるみを改造したもの。だから、「相似形」。
 それにしても、ゴジラにエリ巻きをつけただけのジラースは、子ども心にも、ちょっと安易だな、と感じたことを思い出す。 
 ゴメスはかなり改造していたので、DVDの解説を見るまではゴジラに手を入れたものだと分からなかった。
 倒れてこっちを向いているのがゴメス。


こちらは「宇宙忍者バルタン星人VS磁力怪獣アントラー 壮絶昆虫型怪獣決戦!!」(右)と、「隕石怪獣ガラモンVS宇宙ロボットキングジョー 宇宙ロボット決戦!!」(左)。


バルタン星人とアントラーはどちらもウルトラマンに登場するが、対決は実現していない。
 言うまでもなく、バルタン星人はセミ、アントラーはクワガタがモデル。だから「昆虫型怪獣」。


ガラモンは、こう見えても隕石からの電波で操縦されるロボット。風貌に似合わずコミカルな動きをする。
 こうやってガラモンだけをダムの正面から撮ると、ガラモンがダムを破壊するシーンの再現になる。
 ガラモンも2回目には東京に出現して、派手に市街地を破壊してくれる。この時は東京タワーも上半分がもぎ取られてしまった。
 このセットは2つ予備があるので、いずれ東京タワーとガラモンや、キングジョーの神戸港のシーンも再現してこのコーナーで披露したい。


 本当はもう一つ「どくろ怪獣レッドキングVS古代怪獣ゴモラ 怪力古代怪獣決戦!!」があるが、ゴモラは去年5月のウルトラシリーズ(その1)で使ってしまった。
 レッドキングは目下のところ所在不明で、いつどこに出現するかわからない。引き続き厳重な警戒が必要だ。




2013/10/07

平成25年10月号 大空のサムライ

平成25年10月号 大空のサムライ

子どものころ、家にあった少年少女向けの偉人伝シリーズの中に、野口英世やジョン・F・ケネディと並んで坂井三郎の伝記もあって、夢中になって読んだ記憶がある。
 特に、敵飛行場の上空で曲芸飛行をやって、それが敵からの電報でほめられたので上官にばれてしまったことや、目を負傷した後、麻酔もなしで鉄の破片を取り除く手術をした場面は特に鮮明に覚えている。

 その伝記が坂井三郎の著書『大空のサムライ』をベースにしていることが、あとからわかった。
 文庫になった『大空のサムライ』(光人社NF文庫 2003年)をあらためて読んでみると、まるで、若者がさまざまな経験をして人間的に成長していく過程を描くドイツの教養小説(Bildungsroman)のような面白さを感じた。
 佐賀の田舎から出てきた青年が、厳しい訓練に耐え、数々の戦いを勝ち抜き、零戦のエースパイロットに登りつめ、さらには負傷して復活するというストーリーは、まるでヘルマン・ヘッセの『デミアン』だ。
 『大空のサムライ』は国の命運を賭けて戦った青年の壮大なドキュメンタリーである。
 次はどういった展開になるのか、わくわくしながら1枚1枚ページをめくり、あたかも自分がその場にいるかのような臨場感を味わいながら読み進んでいった。
 教官が同乗する初飛行の場面では、自分でも操縦桿を握り、足にフットバーをかけているつもりで自然と体が右に左に動いたり、飛行場が爆撃される場面では思わず空から降ってくる爆弾を避けるそぶりをしたりもした。

 ところで 敵飛行場上空での曲芸飛行は、昭和17年5月27日のこと。
 当時、ラエに進出していた台南航空隊は、米豪の反攻拠点ポートモレスビーに連日のように出撃していた。
 その日は大した空戦もなかったので、以前から示し合わせたとおり、当隊きっての古強者の西沢一飛曹、太田一飛曹と編隊宙返りを敢行した。
 その間、対空砲火の反撃はなかった。坂井は、「茶目気の多い米兵たちには、この大胆きわまる冒険が、案外、気に入ったのであろう」と書いている。

坂井三郎搭乗機勢揃い。

右2機は、エフトイズの1/144ウィングキットコレクションvol.1の零戦二一型。
一番左は、零戦の後継機として開発されたが制式採用まで至らなかった「烈風」の台南航空隊の塗装バージョン。
これは、1/144ウォーバードデスクコレクション「if」のシークレットで、もちろんフィクションだが、坂井三郎が「烈風」を駆使していたらさぞかし強かっただろう、と想像してしまう。
同じスケールなので零戦との大きさの違いもよくわかる。

 出撃直前の坂井一飛曹

 飛行シーン 

「烈風」

こちらは童友社の1/100翼コレクション  


2013/09/04

平成25年9月号 若冲が来てくれました(福島県立美術館特別展)

平成25年9月号 若冲が来てくれました(福島県立美術館特別展)

今月は、前回のサンダーバード博に続き、美術展とのコラボです。

写真は福島県立美術館のミュージアムショップで購入した伊藤若冲の「鳥獣花木図屏風」。
オリジナルは約1センチ四方の升目に色を埋めていくもので、その数なんと八万六千個!

現在、福島県立美術館で開催中の「東日本大震災復興支援 特別展「若冲が来てくれました」~プライスコレクション 江戸絵画の美と生命」も今月23日(月・祝)までとなってしまいました。
この機会を逃したら、こんなに充実した江戸絵画のコレクションを次にいつ見ることができるかわかりません。

Jakuchu's Here!

日本にいるうちに見に行きましょう!

展覧会の様子はブログに掲載していますので、ご覧になってください。

http://deutschland-ostundwest.blogspot.jp/2013/08/blog-post.html


(追記)
アートファンならご存じのとおり、昨年(2019年)6月、エツコ&ジョー・プライス氏(プライス財団)のコレクションの一部、190点を出光美術館が収蔵したとの発表がありました。
そのうちの約80点が、今年(2020年)9月から12月にかけて展示される予定とのこと。
こちらも楽しみです。→出光美術館年間スケジュール







令和元年8月号 3Dで楽しむ浮世絵の世界(歌川広重 立体組上図)

今回紹介するのは海洋堂「歌川広重 立体組上図」。 ラインナップは、「名所江戸百景」から「大はしあたけの夕立」。   同じく「名所江戸百景」から「亀戸梅屋敷」。 「東海道五十三次」からは「箱根 湖水図」(下の写真右)、「由井 薩埵嶺」(下の写真左)。 続いて「桑名 七里渡口」(下の...